宇治拾遺物語 品詞分解。 宇治拾遺物語

日本古典文学摘集 宇治拾遺物語 巻第十二ノ一三 貫之歌の事 現代語訳

宇治拾遺物語 品詞分解

ちなみに、直後に体言(ここでは「者」)が省略されているため連体形(体言に連なる形)となっている。 あり =ラ変動詞「あり」の連用形。 直後に接続が連用形の助動詞「けり」が来ているため連用形となっている。 けり =過去の助動詞「けり」の終止形、接続(直前に置かれる活用形)は連用形 これも今は昔、絵仏師 良 りょう 秀 しゅう といふありけり。 これも今は昔のことだが、絵仏師良秀という者がいた。 家 =名詞 の =格助詞 隣 =名詞 より =格助詞、(起点)~から。 (手段・用法)~で。 (経過点)~を通って。 (即時:直前に連体形がきて)~するやいなや。 逃げ出で =ダ行下二段動詞「逃げ出づ(にげいづ)」の連用形 て =接続助詞 大路 =名詞 へ =格助詞 出で =ダ行下二段動詞「出づ」の連用形 に =完了の助動詞「ぬ」の連用形、接続は連用形。 けり =過去の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形。 家の隣より火出で来(き)て、風おしおほひてせめければ、逃げ出でて大路へ出でにけり。 隣の家から火が出てきて、風がおおうように吹いて火が迫って来たので、(良秀は)逃げ出して、大通りへ出た。 人 =名詞 の =格助詞 書か =カ行四段動詞「書く」の未然形 する =使役の助動詞「す」の連体形、接続は未然形。 「す」には、「使役と尊敬」の二つの意味があるが、直後に尊敬語が来ていない場合は必ず「使役」の意味である。 仏 =名詞 も =係助詞 おはし =サ変動詞「おはす」の連用形、「あり・居り・行く・来」の尊敬語。 いらっしゃる、おられる、あおりになる。 仏(の絵)を敬っている けり =過去の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形 また =接続詞 衣 (きぬ)=名詞 着 =カ行上一段動詞「着る」の未然形。 すべて、全部 内 =名詞 に =格助詞 あり =ラ変動詞「あり」の連用形 けり =過去の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形 人の書かする仏もおはしけり。 また衣着ぬ妻子なども、さながら内にありけり。 (良秀の家の中には、)人が(良秀に依頼して)描かせている仏の絵もおありであった。 また、衣服も着ていない妻子なども、そのまま家の中にいた。 それ =代名詞 も =係助詞 知ら =ラ行四段動詞「知る」の未然形 ず =打消の助動詞「ず」の連用形、接続は未然形 ただ =副詞 逃げ出で =ダ行下二段動詞「逃げ出づ」の連用形 たる =完了の助動詞「たり」の連体形、接続は連用形 を =格助詞 事 =名詞 に =格助詞 し =サ変動詞「す」の連用形、する。 事にす=良い事とする、それに満足する。 「事(名詞)/に(格助詞)/し(サ変動詞の連用形)」 て =接続助詞 向かひ =名詞 の =格助詞 つら (面)=名詞 に =格助詞 立て =タ行四段動詞「立つ」の已然形。 「立つ」は下二段動詞でもあり、その時は「立たせる」と言う意味になる。 り =存続の助動詞「り」の終止形、接続はサ変なら未然形・四段なら已然形 それも知らず、ただ逃げ出でたるを事にして、向かひのつらに立てり。 それも気にせず、ただ(自分が)逃げ出したのを良い事にして、(自分の家の)向かいの側に立っていた。 見れ =マ行上一段動詞「見る」の已然形。 すでに =副詞 我 =代名詞 が =格助詞 家 =名詞 に =格助詞 移り =ラ行四段動詞「移る」の連用形 て =接続助詞 煙 =名詞 炎 =名詞 くゆり =ラ行四段動詞「くゆる」の連用形。 くすぶる、くすぶって煙やにおいが立ちのぼる ける =過去の助動詞「けり」の連体形、接続は連用形。 直後に体言(ここでは「ところ・時」など)が省略されているため連体形となっている。 まで =副助詞 おほかた =副詞、だいたい、およそ。 一般に 向かひ =名詞 の =格助詞 つら (面)=名詞 に =格助詞 立ち =タ行四段動詞「立つ」の連用形 て =接続助詞 眺め =マ行下二段動詞「眺む」の連用形 けれ =過去の助動詞「けり」の已然形、接続は連用形 ば =接続助詞、直前には未然形か已然形の活用形が付く。 見れば、すでに我が家に移りて、煙、炎くゆりけるまで、おほかた向かひのつらに立ちて眺めければ、 見ると、すでに我が家に(火が)移って、煙、炎がくすぶり燃え出したところまで、だいたい向かい側に立って(良秀は)眺めていたので、 あさましき =シク活用の形容詞「あさまし」の連体形、驚きあきれる、意外でびっくりすることだ 事 =名詞 と =格助詞 て =接続助詞 人ども =名詞 来 (き)=カ変動詞「来(く)」の連用形。 直後に用言(とぶらひ)がきているため連用形(用言に連なる形)になっているので、「き」と読む とぶらひ =ラ行四段動詞「訪ふ(とぶらふ)」の連用形、見舞う、訪れる けれ =過去の助動詞「けり」の已然形、接続は連用形 ど =逆接の接続助詞、直前には已然形が来る 騒が =ガ行四段動詞「騒ぐ」の未然形 ず =打消の助動詞「ず」の終止形、接続は未然形 「あさましき事。 」とて、人ども来(き)とぶらひけれど、騒がず。 「大変なことだ。 」と言って、人々が見舞いにやって来たが、動じてない。 いかに =副詞、どうした。 どのように。 と =格助詞 人 =名詞 言ひ =ハ行四段動詞「言ふ」の連用形 けれ =過去の助動詞「けり」の已然形、接続は連用形 ば =接続助詞、直前には未然形か已然形の活用形が付く。 向かひ =名詞 に =格助詞 立ち =タ行四段動詞「立つ」の連用形 て =接続助詞 家 =名詞 の =格助詞 焼くる =カ行下二段動詞「焼く」の連体形 を =格助詞 見 =マ行上一段動詞「見る」の連用形 て =接続助詞 うちうなづき =カ行四段動詞「うちうなづく」の連用形。 「うち」は接頭語、「ちょっと・すこし」などの意味があるが、あまり気にしなくてもよい。 て =接続助詞 時々 =副詞 笑ひ =ハ行四段動詞「笑ふ」の連用形 けり =過去の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形 「いかに。 」と人いひければ、向かひに立ちて、家の焼くるを見て、うちうなづきて、時々笑ひけり。 「どうした。 」と(ある)人が言ったところ、(良秀は家の)向かい側に立って、家の焼けるのを見て、少しうなづいて、時々笑った。 あはれ =感動詞、ああ。 「あはれ」とは感動したときに口に出す言葉であることから、心が動かされるという意味を持つ名詞や形容詞、形容動詞として使われるようにもなった。 し =サ変動詞「す」の連用形、する つる =完了の助動詞「つ」の連体形、接続は連用形 せうとく (所得)=名詞、得をすること、うまくいくこと かな =詠嘆の終助詞、~だなあ、~であることよ。 年ごろ =名詞、長年、長年の間 は =係助詞 わろく =ク活用の形容詞「悪し(わろし)」の連用形、良くない、普通とは劣るさま。 下手だ、ぱっとしない。 対義語は「よろし」。 「わろし」は相対的に悪い状態。 「悪し(あし)」は絶対的に悪い状態。 書き =カ行四段動詞「書く」の連用形 ける =過去の助動詞「けり」の連体形、接続は連用形 もの =名詞 かな =詠嘆の終助詞、~だなあ、~であることよ。 と =格助詞 言ふ =ハ行四段動詞「言ふ」の連体形 時 =名詞 に =格助詞 「あはれ、しつるせうとくかな。 年ごろはわろく書きけるものかな。 」といふ時に、 「ああ、もうけものをしたことだなあ。 長年の間(火炎を)下手に描いてきたものだよ。 」と(良秀が)言う時に、 とぶらひ =ハ行四段動詞「訪ふ(とぶらふ)」の連用形 に =格助詞 来 (き)=カ変動詞「来(く)」の連用形 たる =完了の助動詞「たり」の連体形、接続は連用形 者ども =名詞 こ =代名詞 は =係助詞 いかに =副詞、どのように、どう かくて =副詞、このようにして、こうして は =係助詞 立ち =タ行四段動詞「立つ」の連用形 給へ =補助動詞ハ行四段「給ふ(たまふ)」の已然形、尊敬語。 補助動詞とは、英語の助動詞みたいなもの。 意味は尊敬。 る =存続の助動詞「り」の連体形、接続はサ変なら未然形・四段なら已然形 ぞ =強調の係助詞 あさましき =シク活用の形容詞「あさまし」の連体形、驚きあきれる、意外でびっくりすることだ こと =名詞 かな =詠嘆の終助詞、~だなあ、~であることよ。 物 =名詞 の =格助詞 つき =カ行四段動詞「憑く(つく)」の連用形 給へ =補助動詞ハ行四段「給ふ(たまふ)」の已然形、尊敬語。 る =存続の助動詞「り」の連体形、接続はサ変なら未然形・四段なら已然形 か =疑問の係助詞 と =格助詞 言ひ =ハ行四段動詞「言ふ」の連用形 けれ =過去の助動詞「けり」の已然形、接続は連用形 ば =接続助詞、直前には未然形か已然形の活用形が付く。 とぶらひに 来 き たる者ども、「こはいかに、かくては立ち給へるぞ。 あさましき事かな。 物の 憑 つ き給へるか。 」 といひければ、 見舞いに来た人々が、「これはどうして、このようにしてお立ちになっているのか。 あきれたことだ。 霊が取りつきなさっているのか。 」と言ったところ、 なんでふ =副詞、反語。 どうして~か。 (いや~ない。 ) もの =名詞 の =格助詞 つく =カ行四段動詞「憑く(つく)」の終止形 べき =当然の助動詞「べし」の連体形、接続は終止形(ラ変は連体形)。 「べし」は㋜推量㋑意志㋕可能㋣当然㋱命令㋢適当のおよそ六つの意味がある ぞ =強調の係助詞 年ごろ =名詞、長年、長年の間 不動尊 =名詞 の =格助詞 火炎 =名詞 を =格助詞 悪しく =シク活用の形容詞「悪し(あし)」の連用形、悪い。 不都合だ。 書き =カ行四段動詞「書く」の連用形 ける =過去の助動詞「けり」の連体形、接続は連用形 なり =断定の助動詞「なり」の終止形、接続は体言・連体形 「なんでふものの憑くべきぞ。 年ごろ不動尊の火炎を悪しく書きけるなり。 「どうして霊が取りつくはずがあろうか。 (いや、ない。 )長年不動尊の火炎を下手に描いていたのだ。 かう (斯う)=副詞、こう、このように。 「斯く(かく)」が音便化したもの。 こそ =強調の係助詞、結びは已然形となる。 ここの結びは「けれ」。 係り結び。 意味は強調なので気にせず「かう燃えけり」と元の形に戻して訳を考えると良い。 燃え =ヤ行下二段動詞「燃ゆ」の連用形 けれ =詠嘆の助動詞「けり」の已然形、接続は連用形。 係助詞「こそ」を受けて已然形となっている。 係り結び。 心得る、(事情などを)理解する。 ア行下二段動詞は「得・心得・所得」だけのはずなので覚えておいた方がよい。 つる =完了の助動詞「つ」の連体形、接続は連用形 なり =断定の助動詞「なり」の終止形、接続は体言・連体形 これ =代名詞 こそ =強調の係助詞 せうとく (所得)=名詞、得をすること、うまくいくこと よ =詠嘆の終助詞 今見れば、かうこそ燃えけれと、心得つるなり。 これこそせうとくよ。 今見ると、(火炎とは)こう燃えるものだったなぁと、理解したのだ。 これこそもうけものよ。 こ =代名詞 の =格助詞 道 =名詞 を =格助詞 立て =タ行下二段動詞「立つ」の連用形 て =接続助詞 世 =名詞 に =格助詞 あら =ラ変動詞「あり」の未然形 世にあり=生きている、この世にいる。 む =仮定の助動詞「む」の連体形、接続は未然形。 この「む」は、㋜推量・㋑意志・㋕勧誘・㋕仮定・㋓婉曲の五つの意味があるが、文中に来ると「㋕仮定・㋓婉曲」のどれかである。 に =格助詞 は =係助詞 この道を立てて世にあらむには、 この(絵仏師としての)道を職業として生きて行こうとするには、 仏 =名詞 だに =副助詞、~さえ、せめて~だけでも よく =ク活用の形容詞「良し」の連用形、対義語は「悪(あ)し」。 書き =カ行四段動詞「書く」の連用形 奉ら =補助動詞ラ行四段「奉る(たてまつる)」未然形、謙譲語。 百千 =名詞 の =格助詞 家 =名詞 も =係助詞 出で来 (いでき)=カ変動詞「出で来(いでく)」の連用形 な =強意の助動詞「ぬ」の未然形、接続は連用形。 「つ・ぬ」は「完了・強意」の二つの意味があるが、直後に推量系統の助動詞「む・べし・らむ・まし」などが来るときには「強意」の意味となる む =推量の助動詞「む」の終止形、接続は未然形。 この「む」は、㋜推量・㋑意志・㋕勧誘・㋕仮定・㋓婉曲の五つの意味があるが、文末に来ると「㋜推量・㋑意志・㋕勧誘」のどれかである。 仏だによく書き 奉 たてまつ らば、百千の家も 出 い で 来 き なむ。 仏さえうまく描き申し上げたら、百や千軒の家もきっと出来るだろう。 わたうたち =名詞、おまえら、おまえたち わたう=(同等か目下の物に対して)おまえ、おまえら こそ =強調の係助詞、結びは已然形となる。 係り結び。 させる =連体詞、これという、それほどの 能 =名詞 も =係助詞 おはせ =サ変動詞「おはす」の未然形、「あり・居り・行く・来」の尊敬語。 いらっしゃる、おられる、あおりになる。 ね =打消の助動詞「ず」の已然形、接続は未然形 ば =接続助詞、直前には未然形か已然形の活用形が付く。 物 =名詞 を =格助詞 も =係助詞 惜しみ =マ行四段動詞「惜しむ」の連用形 給へ =補助動詞ハ行四段「給ふ」の已然形、尊敬語。 係助詞「こそ」を受けて已然形となっている。 係り結び。 と =格助詞 言ひ =ハ行四段動詞「言ふ」の連用形 て =接続助詞 わたうたちこそ、させる能もおはせねば、物をも惜しみ給へ。 」といひて、 お前たちこそ、これという才能もおありでないから、物を惜しみなさるのだ。 」と言って、 あざ笑ひ =ハ行四段動詞「あざ笑ふ」の連用形 て =接続助詞 こそ =強調の係助詞、結びは已然形となる。 係り結び。 立て =タ行四段動詞「立つ」の已然形 り =存続の助動詞「り」の連用形、接続はサ変なら未然形・四段なら已然形 けれ =過去の助動詞「けり」の已然形、接続は連用形。 係助詞「こそ」を受けて已然形となっている。 係り結び。 そ =代名詞 の =格助詞 後 =名詞 に =断定の助動詞「なり」の連用形、接続は体言・連体形 や =疑問の係助詞、結びは連体形となるが、直後に「あら(ラ変動詞)/む(推量の助動詞)」が省略されている。 係り結びの省略。 「にや(あらむ)。 」 良秀 =名詞 が =格助詞 よぢり不動 =名詞 と =格助詞 て =接続助詞 今 =名詞 に =格助詞 人々 =名詞 愛で合へ =ハ行四段動詞「愛で合ふ(めであふ)」の已然形、褒め合う り =存続の助動詞「り」の終止形、接続はサ変なら未然形・四段なら已然形 あざ笑ひてこそ立てりけれ。 その後にや、良秀がよぢり不動とて、今に人々 愛 め で合へり。 あざ笑って立っていた。 その後であろうか、良秀のよじり不動といって、今でも人々が(その良秀の絵を)褒め合っている。

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宇治拾遺物語「児のそら寝」「絵仏師良秀」原文・現代語訳・意味解説|全文|高校古典テスト問題も

宇治拾遺物語 品詞分解

概要 [ ] 題名は、『』(宇治大納言が編纂したとされる説話集、現存しない)から漏れた話題を拾い集めたもの、という意味である。 全197話から成り、15巻に収めている。 古い形では上下の二巻本であったようだ。 収録されている説話は、序文によれば、のみならず、天竺()や大唐()の三国を舞台とし、「あはれ」な話、「をかし」な話、「恐ろしき」話など多彩な説話を集めたものであると解説されている。 ただ、オリジナルの説話は少なく、『』など先行する様々な説話集と共通する話が多い(説話の直接の出典には、『古事談』『十訓抄』『打聞集』などに類似の話が見られ、『今昔』との重出話にいたっては80余話もの数にのぼる)。 貴族から庶民まで、幅広い登場人物が描かれている。 また、日常的な話題から滑稽談まで、と内容も幅広い。 「芋粥」や「絵仏師良秀」はの短編小説の題材に取り入れられている。 『宇治拾遺物語』に収録された説話の内容は、大別すると次の三種に分けられる。 仏教説話(破戒僧や高僧の話題、発心・往生談など)• 世俗説話(滑稽談、盗人や鳥獣の話、恋愛話など)• 民間伝承(「雀報恩の事」など) 民間伝承には、「」や「」、「」などなじみ深い説話が収められている。 に関する説話も含むが、どちらかというと猥雑、ユーモラスな話題(のが幼さゆえの場違いな発言で僧侶の失笑を買う、等)が多く、教訓や啓蒙の要素は薄い。 信仰心を促すような価値観に拘束されておらず、自由な視点で説話が作られている。 その意味において、中世説話集の中では特異な存在である。 成立 [ ] 『宇治拾遺物語』は、(元年)頃から(3年)頃までの間に成立したとみられる。 序文では、この説話集の成立の経過について、次のようなことが書かれている。 まず、「宇治大納言」と呼ばれた貴族、隆国によって書かれたという『宇治大納言物語』が成立した(現在は散佚)。 その後、『宇治大納言物語』が加筆・増補される。 この物語に漏れた話、その後の話などを拾い集めた拾遺集が編まれた。 いずれにしても、成立について諸説あるが、『』を直接の出典としている話が包含されていることにより、その成立期である建暦期であるとする説や第159話に「後鳥羽院」という諡号が出てくるのでこの諡号が出された仁治3年(1242年)以後まもなく、とする説もある。 現存の『宇治拾遺物語』はこうして成立したらしいが、3. がさらに抄出された版であるという見方もなされている。 一方で、この序文自体が編者もしくは後世の創作であるとする説もある。 原典 [ ] 二十数種の伝本があり、古本系と流布本系に大別される。 前者は宮内庁書陵部御所本が代表的な伝本。 後者は万治二年板本で、挿絵入りで、内閣文庫他に現存する。 外部リンク [ ] ウィキソースに の原文があります。 (國史大系版テキスト)• (日本古典文学摘集)• (宮内庁書陵部国文学研究資料館蔵)• (公益財団法人阪本龍門文庫蔵)• 荻原美津子、跡見学園女子大学『国文学科報』 Vol. 8, 1980.

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宇治拾遺物語袴垂と保昌品詞分解現代語訳敬語助動詞その1

宇治拾遺物語 品詞分解

「る・らる」には「受身・尊敬・自発・可能」の4つの意味がある。 動作の主体である治部卿通俊卿を敬っている。 作者からの敬意。 どの敬語も、その敬語を実質的に使った人間からの敬意である。 ける=過去の助動詞「けり」の連体形、接続は連用形 おのづから=副詞、自然に、ひとりでに。 まれに、たまたま。 もしかして、ひょっとして。 や=疑問の係助詞、結びは連体形となっている。 係り結び。 入る=ラ行四段動詞「入る」の連体形。 係助詞「や」を受けて連体形となっている。 係り結び。 ける=過去の助動詞「けり」の連体形、接続は連用形 今となっては昔のことだが、治部卿通俊卿が、『後拾遺和歌集』を撰集なさったとき、秦兼久が(治部卿のもとへ)出向いて、ひょっとすると(自分の)歌などが(『後拾遺和歌集』に)入るかと思って、様子を伺ったところ、 治部卿出でゐて物語して、「 いかなる歌 か 詠 よ み たる。 」と言は れ けれ ば、 いかなる=ナリ活用の形容動詞「いかなり」の連体形。 どのようだ、どういうふうだ か=疑問の係助詞、結びは連体形となる。 係り結び。 たる=完了の助動詞「たり」の連体形、接続は連用形。 係助詞「か」を受けて連体形となっている。 係り結び。 れ=尊敬の助動詞「る」の連用形、接続は未然形。 「る・らる」には「受身・尊敬・自発・可能」の4つの意味がある。 動作の主体である治部卿通俊卿を敬っている。 作者からの敬意。 治部卿が出て(きて)座って話をして、「どのような歌を詠んだのか。 」とおっしゃったので、 「 はかばかしき 候は ず。 はかばかしき=シク活用の形容詞「捗々し(はかばかし)」の連体形、思うように物事がはかどる様子、頼もしい、しっかりしている。 きわだっている。 候は=ハ行四段動詞「候ふ(さぶらふ)」の未然形、「あり・居り」の丁寧語。 言葉の受け手(聞き手)である治部卿通俊卿を敬っている。 秦兼久からの敬意。 ず=打消の助動詞「ず」の終止形、接続は未然形 (兼久は、)「たいした歌は(詠んで)ございません。 後 ご 三 さん 条 じょう 院 いん 隠れ させ たまひて後、 円 えん 宗 しゅう 寺 じ に 参りて 候ひ しに、 かくれ=ラ行下二段動詞「隠る」の未然形。 ここでは「死ぬ」と言う意味で使われている。 現代語でもそうだが、古典において「死ぬ」という言葉を直接使うことは避けるべきこととされており、「亡くなる・消ゆ・失す・徒(いたずら)になる」などと言ってにごす。 させ=尊敬の助動詞「さす」の連用形、接続は未然形。 「す・さす・しむ」は直後に尊敬語が来ていないときは「使役」だが、尊敬語が来ているときは文脈判断。 「給ふ」と合わせて二重敬語となっており、動作の主体である後三条院を敬っている。 秦兼久からの敬意。 たまひ=補助動詞ハ行四段「給ふ」の連用形、尊敬語 参り=ラ行四段動詞「参る」の連用形、「行く」の謙譲語。 おそらく動作の対象である円宗寺に祀られている神様を敬っている。 秦兼久からの敬意。 候ひ=補助動詞ハ行四段「候ふ(さぶらふ)」の連用形、丁寧語。 言葉の受け手(聞き手)である治部卿通俊卿を敬っている。 秦兼久からの敬意。 し=過去の助動詞「き」の連体形、接続は連用形 後三条院がお亡くなりになった後、円宗寺にお参りしましたときに、 花の にほひは昔にも変わら ず 侍り しか ば、 仕うまつりて 候ひ し なり。 」とて、 にほひ=名詞、色が美しく映えること、艶のある美しさ。 嗅覚ではなく視覚的なことを意味しているので注意。 ず=打消の助動詞「ず」の連用形、接続は未然形 侍り=補助動詞ラ変「侍り(はべり)」の連用形、丁寧語。 言葉の受け手(聞き手)である治部卿通俊卿を敬っている。 秦兼久からの敬意。 仕うまつり=ラ行四段動詞「仕うまつる(つかうまつる)」の連用形、謙譲語。 お仕えする。 お仕え申し上げる。 おそらく動作の対象である後三条院を敬っている。 秦兼久からの敬意。 候ひ=補助動詞ハ行四段「候ふ(さぶらふ)」の連用形、丁寧語。 言葉の受け手(聞き手)である治部卿通俊卿を敬っている。 秦兼久からの敬意。 し=過去の助動詞「き」の連体形、接続は連用形 なり=断定の助動詞「なり」の終止形、接続は体言・連体形 花のつややかな美しさは(後三条院がご健在だった)昔と変わりませんでしたので、(次のように歌を)詠み申し上げましたのです。 」と言って、 「 去年 こぞ 見 しに 色も変はら ず 咲き に けり 花 こそものは 思は ざり けれ し=過去の助動詞「き」の連体形、接続は連用形 ず=打消の助動詞「ず」の連用形、接続は未然形 に=完了の助動詞「ぬ」の連用形、接続は連用形 けり=詠嘆の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形。 係り結び。 ざり=打消の助動詞「ず」の連用形、接続は未然形 けれ=詠嘆の助動詞「けり」の已然形、接続は連用形。 係助詞「こそ」を受けて已然形となっている。 係り結び。 「 去年 こぞ 見しに 色も変はらず 咲きにけり 花こそものは 思はざりけれ 「(花は)去年見たのと色も変わらず(美しく)咲いたことよ。 花というものはもの思いをしないのだなあ。 と こそ 仕うまつりて 候ひ しか。 」と言ひ けれ ば、 こそ=強調の係助詞、結びは已然形となる。 係り結び。 仕うまつり=ラ行四段動詞「仕うまつる(つかうまつる)」の連用形、謙譲語。 お仕えする。 お仕え申し上げる。 おそらく動作の対象である後三条院を敬っている。 秦兼久からの敬意。 候ひ=補助動詞ハ行四段「候ふ(さぶらふ)」の連用形、丁寧語。 言葉の受け手(聞き手)である治部卿通俊卿を敬っている。 秦兼久からの敬意。 しか=過去の助動詞「き」の已然形、接続は連用形。 係助詞「こそ」を受けて已然形となっている。 係り結び。 と詠み申し上げました。 」と言ったところ、 通俊の卿、「 よろしく詠み たり。 ただし、『けれ』『けり』『ける』などいふことは、 いと しもなき言葉 なり。 よろしく=シク活用の形容詞「宜し(よろし)」の連用形。 まあよい、悪くない。 ふさわしい。 たり=存続の助動詞「たり」の終止形、接続は連用形 いと=副詞、たいへん、とても。 下に打消語を伴って「それほど~ない・あまり~ない」。 ここでは「なき(無き:シク活用・連体形)」がこの「いと」に呼応する打消語となっている。 しも=強意の副助詞。 訳す際にはあまり気にしなくてもよい。 なり=断定の助動詞「なり」の終止形、接続は体言・連体形 通俊卿は、「まあまあうまく詠んでいる。 ただし、『けれ』『けり』『ける』などという言葉は、あまりよくない言葉である。 それは さること にて、『花こそ』といふ文字 こそ、女の童などの名に し つ べけれ。 」とて、 さる=連体詞、あるいはラ変動詞「然り(さり)」の連体形、そうだ、そうである。 適切である、ふさわしい、しかるべきだ。 に=断定の助動詞「なり」の連用形、接続は体言・連体形 こそ=強調の係助詞、結びは已然形となる。 係り結び。 し=サ変動詞「す」の連用形、する。 つ=強意の助動詞「つ」の終止形、接続は連用形。 「つ・ぬ」は「完了・強意」の二つの意味があるが、直後に推量系統の助動詞「む・べし・らむ・まし」などが来るときには「強意」の意味となる。 べけれ=適当の助動詞「べし」の已然形、接続は終止形(ラ変なら連体形)。 係助詞「こそ」を受けて已然形となっている。 係り結び。 「べし」は㋜推量㋑意志㋕可能㋣当然㋱命令㋢適当のおよそ六つの意味がある。 それはそういうことだとして、『花こそ』という言葉は、女の子などの名前にするのがよいだろう。 」と言って、 いともほめ られ ざり けれ ば、言葉少なに立ちて、侍どもあり ける所に、 られ=尊敬の助動詞「らる」の未然形、接続は未然形。 「る・らる」には「受身・尊敬・自発・可能」の4つの意味がある。 ここは文脈判断。 動作の主体である治部卿通俊卿を敬っている。 作者からの敬意。 ける=過去の助動詞「けり」の連体形、接続は連用形 たいしてお褒めにならなかったので、(兼久は)言葉少なに立って、家来たちのいた場所で、 「この殿は、大方歌の有様知り たまは ぬ に こそ。 たまは=補助動詞ハ行四段「給ふ(たまふ)」の未然形、尊敬語。 動作の主体である治部卿通俊卿を敬っている。 秦兼久からの敬意。 ぬ=打消の助動詞「ず」の連体形、接続は未然形 に=断定の助動詞「なり」の連用形、接続は体言・連体形 こそ=強調の係助詞、結びは已然形となるはずだが、ここでは省略されている。 「あら(ラ変・未然形)め(推量の助動詞・已然形)」などが省略されていると考えられる。 係り結びの省略。 場合によって敬語になったり、助動詞がついたりする。 「にや・にか」だと、「ある・侍る(「あり」の丁寧語)・あらむ・ありけむ」など 「にこそ」だと、「あれ・侍れ・あらめ・ありけめ」など 「ここの殿(=治部卿)は、まったく歌の様子をご存じないのであろう。 かかる 人の、撰集承りて おはするは あさましき事 かな。 四条大納言歌に、 かかる=連体詞、あるいはラ変動詞「かかり」の連体形。 このような、こういう。 おはする=補助動詞サ変「おはす」の連体形、尊敬語。 動作の主体である治部卿通俊卿を敬っている。 秦兼久からの敬意。 あさましき=シク活用の形容詞「あさまし」の連体形。 なさけない、嘆かわしい。 驚きあきれる、意外でびっくりすることだ。 あまりのことにあきれる。 かな=詠嘆の終助詞 このような人が、撰集をお引き受けしていらっしゃるのはあきれたことよ。 四条大納言の歌に、 春来てぞ 人も 訪 と ひける 山里は 花こそ宿の あるじなりけれ ぞ=強調の係助詞、結びは連体形となる。 係り結び。 ける=過去の助動詞「けり」の連体形、接続は連用形。 係助詞「ぞ」を受けて連体形となっている。 係り結び。 こそ=強調の係助詞、結びは已然形となる。 係り結び。 なり=断定の助動詞「なり」の連用形、接続は体言・連体形 けれ=過去の助動詞「けり」の已然形、接続は連用形。 係助詞「こそ」を受けて已然形となっている。 係り結び。 春来てぞ 人も訪ひける 山里は 花こそ宿の あるじなりけれ 春が来て人も訪れるようになった。 この山里は花こそが宿の主人であるのだなあ。 と詠み たまへ るは、 めでたき歌とて、世の 人口 ひとぐち に乗りて 申す めるは。 たまへ=補助動詞ハ行四段「給ふ(たまふ)」の已然形、尊敬語。 動作の主体である四条大納言を敬っている。 秦兼久からの敬意。 る=存続の助動詞「り」の連体形、接続はサ変なら未然形・四段なら已然形 めでたき=ク活用の形容詞「めでたし」の連体形、みごとだ、すばらしい。 魅力的だ、心惹かれる。 申す=サ行四段動詞「申す」の終止形、「言ふ」の謙譲語。 おそらく動作の対象である四条大納言を敬っている。 秦兼久からの敬意。 める=婉曲の助動詞「めり」の連体形、接続は終止形(ラ変なら連体形)。 視覚的なこと(見たこと)を根拠にする推定の助動詞である。 婉曲とは遠回しな表現。 「~のような」と言った感じで訳す。 とお詠みになったのは、すばらしい歌として、世間で評判になり申し上げるようだよ。 その歌に、『人の訪ひける』とあり、また、『宿のあるじなりけれ』と あ めるは。 視覚的なこと(見たこと)を根拠にする推定の助動詞である。 婉曲とは遠回しな表現。 「~のような」と言った感じで訳す。 その歌に、『人も訪ひける』とあり、また、『宿のあるじなりけれ』とあるようだよ。 『花こそ』と言ひ たるは、それには同じさま なるに、 いかなれば四条大納言のは めでたく、兼久がは わろかる べき ぞ。 たる=完了の助動詞「たり」の連体形、接続は連用形 なる=断定の助動詞「なり」の連体形、接続は体言・連体形 いかなれ=ナリ活用の形容動詞「いかなり」の已然形。 どのようだ、どういうふうだ めでたく=ク活用の形容詞「めでたし」の連用形、みごとだ、すばらしい。 魅力的だ、心惹かれる。 わろかる=ク活用の形容詞「悪し(わろし)」の連体形。 「悪い」という意味ではなく、「良くない・普通より劣る」という意味なので注意。 べき=推量の助動詞「べし」の連体形、接続は終止形(ラ変なら連体形)。 ㋜推量㋑意志㋕可能㋣当然㋱命令㋢適当のおよそ六つの意味がある。 ぞ=強調の係助詞 『花こそ』と言ったのは、それとは同じ構成であるのに、どうして四条大納言の歌はすばらしく、兼久の歌はよくないのであろうか。 かかる 人の撰集承りて撰び たまふ、 あさましきこと なり。 」と言ひて出で に けり。 かかる=連体詞、あるいはラ変動詞「かかり」の連体形。 このような、こういう。 たまふ=補助動詞ハ行四段「給ふ(たまふ)」の連体形、尊敬語。 動作の主体である治部卿通俊卿を敬っている。 秦兼久からの敬意。 あさましき=シク活用の形容詞「あさまし」の連体形、驚きあきれる、意外でびっくりすることだ。 あまりのことにあきれる。 なさけない。 なり=断定の助動詞「なり」の終止形、接続は体言・連体形 に=完了の助動詞「ぬ」の連用形、接続は連用形 けり=過去の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形 このような人が撰集をお引き受けしてお撰びになるのは、驚きあきれたことである。 」と(兼久は)言って、出て行ってしまった。 侍、通俊のもとへ行きて、「兼久 こそかうかう 申して出で ぬれ。 」と語り けれ ば、 こそ=強調の係助詞、結びは已然形となる。 係り結び。 申し=サ行四段動詞「申す」の連用形、「言ふ」の謙譲語。 動作の対象である治部卿通俊卿を敬っている。 侍からの敬意。 ぬれ=完了の助動詞「ぬ」の已然形、接続は連用形。 係助詞「こそ」を受けて已然形となっている。 係り結び。 家来が、通俊のところへ行って、「兼久がこのように申して出て行きました。 」と話したところ、 治部卿うちうなづきて、「 さり けり、さりけり。 物 な言ひ そ。 」と言は れ けり。 さり=ラ変動詞「然り(さり)」の連用形、そうだ、そうである。 適切である、ふさわしい、しかるべきだ。 けり=過去の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形 な=副詞、そ=終助詞 「な~そ」で「~するな(禁止)」を表す。 れ=尊敬の助動詞「る」の連用形、接続は未然形。 「る・らる」には「受身・尊敬・自発・可能」の4つの意味がある。 ここは文脈判断。 動作の主体である治部卿通俊卿を敬っている。 作者からの敬意。 けり=過去の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形 治部卿はうなずいて、「そうだった、そうだった。 (このことは誰にも)何も言うな。 」とおっしゃった。

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