シクロヘキサン 椅子 型。 stereochemistry

【大学有機化学】シクロヘキサンのイス型配座:環反転と立体配座に関する問題が解けるようになる!

シクロヘキサン 椅子 型

2 Baeyerの張力説は、たとえばシクロプロパンの高い反応性(容易に開環する)をよく説明する。 しかし、シクロヘキサンは必ずしも平面構造をとらなくてもよいこと、むしろ非平面構造をとれば正四面体角の結合角を保つことができることなどが次第に明らかになってきた。 環構造をとっているため、シクロヘキサンが取りえる形は対応する直鎖化合物ヘキサンに比べてはるかに限定されている。 それにしてもシクロヘキサンの炭素-炭素単結合の回転によって環はべこべこする。 この環の動きはシクロヘキサン( 図4. 1-1)の任意の連続した4個の炭素、たとえばC 1-C 2-C 3-C 4( 図4. 1-2)をプタンの場合と同様にねじれ角を見積もることによって記述できる。 これらは分子模型で容易に確認することができる。 シクロヘキサンのC 1~C 4ブタン類似単位のねじれ角-エネルギー関係はブタンのそれに一致するとすれば,ねじれ形( 図4. 3-3)のほうが重なり形( 図4. 3-4)よりも安定のはずである。 したがってねじれ形6単位(通常 ブタン・ゴーシュ形という)を含むシクロヘキサンは、その結合角がすべて正四面体角で、しかも最も小さいポテンシャルエネルギーを持つ分子である。 5 いす形シクロヘキサンには2つの書き方がある。 1つは 5または 5'のようにC 2-C 3-C 5-C 6のつくる面が水平になるように書く書き方で、舟形シクロヘキサンと比較するときに便利である。 これに対して 9および 10で示した書き方は、C 2-C 3-C 5-C 6のつくる面を少しかたむけ、そのかわりアキシアル結合が垂直になるようにする。 アキシアル結合・エカトリアル結合が問題となるとき便利である。 2 シクロヘキサンの反転 いす形シクロヘキサンと舟形シクロヘキサンの関係はどのようなものであろうか。 模型を用いて調べてみよう。 いす形シクロヘキサンの前足の部分を静かに上方に持ち上げると舟形シクロヘキサンができる。 このとき模型を注意深く観察すると、炭素-炭素結合の回転が同時に起こっていることがわかる。 このいす形-舟形の変換は、 シクロヘキサンの反転(inversion)と呼ばれる 化学交換(chemical exchange)の一部である( 図4. 1 シクロヘキサン環の反転 いす形 11がC 1を中心とした回転( i)によって舟形 12になることは既に述べた。 舟形 12はC 1を下げてもとの 11に戻ること(回転( viii))も、C 4を下げて別のいす形 13に変換(回転( ii))することも起こりうる。 第二のいす形 13は、C 1を下げて舟形 14(回転( iii) 、C 4を上げて舟形 12(回転( vii))に変わる。 一方、舟形 14からの2つのいす形 11または 13への変化(回転( iv)と( vi))もまた起こる。 シクロヘキサンの反転によってできる2つのいす形 11と 13は同じ形であることが分かった。 しかしこの2つは厳密に同一といえるだろうか。 アキシアル水素6個だけを持ついす形シクロヘキサン( 図4. 2-15)をつくり反転させてみると、もう1つのいす形 16では、この水素はすべてエカトリアル水素となっている。 同様にエカトリアル水素6個だけをもつシクロヘキサン 17は反転によってアキシアル水素6個を持つシクロヘキサン 18に変わっている( 図4. 1 メチルシクロヘキサンの反転 シクロヘキサンの2つのいす形 11と 13は全く同じ形であり、同一物と見なしえたのに対して、メチルシクロヘキサンの2つの異性体 21と 22では、明らかに原子の空間的配列が異なる。 分子模型を用いて調べてみると、いす形シクロヘキサンの12個の水素原子のうち、C 1、C 3、C 5に結合する3個のアキシアル水素原子間の距離は比較的小さい。 もしこのうちの水素の1個、C 1に結合している水素原子がよりかさ高い、たとえばメチル基で置換されると、メチル基とC 3またはC 5に結合している水素原子との間にはかなりな立体的反発が生じ、このためアキシアル異性体 22はエカトリアル異性体 21よりも不安定になる。 この種の相互作用は一般に 1,3-ジアキシアル相互作用(1,3-diaxialinteraction)と呼ばれる。 4 置換シクロヘキサンの異性体数 環の反転による構造変化を無視する、言い換えると環の反転によって平均化したとみなすと、メチルシクロヘキサンの異性体数は1となる。 しかし反転による構造変化を認めれば、異性体数はエカトリアル形およびアキシアル形の2種となる。 シクロヘキサン環の反転による平均化を認めれば、シクロヘキサンのいす形、舟形を考える必要はなく、単に平面分子と考えても同じことである。 メチルシクロヘキサンは 図4. 1-25とも 26とも書ける。 面の上下を区別することは、一方をアキシアル方向、他方をエカトリアル方向と見なすことであり、平均化を認めない考え方である。

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安定

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Ctrlを押しながら矢印キーを押すと移動速度が早くなります。 グループ化する パワーポイントなどを使っている方は知っていると思いますがグループ化の機能がChemDrawにもあります。 そこで Object-Groupでひとかたまりの構造としておくと移動の際、便利です。 私が初めてChemDrawを使ったのは卒研配属時でした。 パソコンを使うのは慣れていましたがこのソフトには戸惑いました。 しかも表示が英語だし・・・右往左往するのは実験 有機合成化学)だけではなかったわけです(泣)。 幸いなことに、いい先輩たちに恵まれなんとか使えるようになり、卒業できました。 そこで、配属時のことを思い出しつつ覚えたことを記事にしてみることにしました。 なので対象は研究室配属したての四年生です。 内容の多くはを参考にしています。 この本はChemDrawの他にもChemFinder Ultra, Chem 3Dについても記載があります。 使う機会がある方は参考にしてみてはいかがでしょうか? (2005. 13 by ホットケーキ メイプル&マーガリン).

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シクロヘキサンの立体配座とは

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いす形のシクロヘキサン。 アキシアル水素は赤、エクアトリアル水素は青く色を付けている。 シクロヘキサンの立体配座(シクロヘキサンのりったいはいざ、: cyclohexane conformation)は、がそのの完全性を保ちながら取ることができる複数の三次元形状のいずれかである。 したがって、シクロヘキサン環は、全ての角度が109. 最も重要な形状は いす形、 半いす形、 舟形、 ねじれ舟形である。 シクロヘキサン分子はこれらの立体配座間を容易に移ることができ、「いす形」と「ねじれ舟形」のみが純粋な形で単離することができる。 シクロヘキサンの立体配座はの古典的な例であるためにおいて広く研究されてきており、シクロヘキサンの物理的および化学的性質に顕著な影響を与えている。 一方で、隣合う炭素原子は結合の軸を中心に自由に回転できる。 炭素環の個々の立体配座について、12本の炭素-水素結合の方向(したがって水素結合の位置)は固定される。 それらは、2つの理想的な いす形配座と6つの理想的な 舟形配座である。 いす形は平均環平面の上下に炭素が交互に位置しており、舟形は平均環平面の上に2つの向かい合った炭素が、その他4つが下に位置している。 理論では、これらの環配座のいずれかを持つ分子はがない。 しかしながら、水素原子間の相互作用によって、実際の「いす」形の角度と結合長は名目の値とわずかに異なっている。 同じ理由で、実際の「舟」形はいす形よりもわずかに高いエネルギーを持つ。 実際、「舟」形は不安定であり、全エネルギーのである ねじれ舟形へと自発的に変形する。 それぞれの安定な環配座は環を壊すことなく他の配座へと移ることができる。 しかしながら、そういった変形は環がひずんだ状態を経由しなければならない。 具体的には、4つの連続した炭素原子が同一平面上に位置する不安定な状態を経由する必要がある。 これらの形状は 半いす形配座と呼ばれる。 歴史的背景 [編集 ] 1890年、ベルリンで助手をしていた28歳のHermann Sachseが、彼が「対称」および「非対称」と呼んだシクロヘキサンの2つの形(現在は「いす」および「舟」と呼ばれる)を表わすための紙の折り畳み方を記した手引きを発表した。 Sachseは、これらの形が水素原子について2つの位置を持っていること(現代の用語では「アキシアル」と「エクアトリアル」)、2つのいす形がおそらく相互変換すること、そして特定の置換基がいす形の一方を好むであろうことさえもはっきりと理解していた。 当時、といった化学者らは、シクロヘキサンがと同様に平面であると考えており、Sachseの考えを信じなかった。 Sachseはこれら全てを数学的言語で表現したため、当時の化学者のほとんどはSachseの主張を理解しなかった。 Sachseはこれらの着想を発表しようと何度か試みたが、化学者の興味をかき立てることには成功しなかった。 1893年にSachseが31歳で死去すると、彼の着想は世間から忘れ去られた。 その後の1918年、当時の最先端技術であるX線結晶構造解析を用いて解かれたの分子構造に基づき 、Ernst MohrはSachseの「いす」が極めて重要なモチーフであると主張することに成功した。 とはシクロヘキサンおよびその他様々な分子の立体配座に関する研究で1969年のを受賞した。 いす形 [編集 ] いす形は、舟形とともにすべての原子が三次元的に歪みのないを取ったときの配座である。 いす形配座はを有する。 安定性 [編集 ] シクロヘキサン環のポテンシャルエネルギー。 1 いす形、 2 半いす形、 3 , 5 ねじれ舟形、 4 舟形 いす形配座は、原子間のが109. 舟形も結合角は109. ただし、これは置換基同士の反発がすべて同程度の場合であり、極端にかさ高くまたいす形配座の時に立体障害を起こしやすい位置に置換基が結合している場合はこの限りではない。 アキシアルとエクアトリアル [編集 ] いす形配座の環を構成する各炭素原子から伸びるには大きく分けて2つの方向(垂直方向と横方向)が考えられる。 垂直方向に伸びた電子軌道の先にある原子を アキシアル原子またはアキシアル位にある原子、横方向に伸びた電子軌道の先にある原子を エクアトリアル(エカトリアル)原子また'エクアトリアル位にある原子と呼ぶ。 また、環を構成する炭素原子とアキシアル原子・エクアトリアル原子との間の原子間結合をそれぞれアキシアル結合、エクアトリアル結合とよぶ。 シクロヘキサンの場合には各構成炭素原子にエクアトリアル水素とアキシアル水素がそれぞれ1つずつついている。 垂直方向と横方向だけでなく、環を固定して考えたとき上側か下側かについても同様の向きとなるように電子軌道を持つ炭素原子は1個おきにあり、これらの電子軌道は互いに反発しあっている。 アキシアル・エクアトリアルはそれぞれ英語で、と表記され、「軸 axis 」「赤道 equator 」から派生した単語である。 地球になぞらえるならば、地軸方向・赤道面上と理解するとわかりやすい。 1,3-ジアキシアル相互作用 [編集 ] 赤は擬エクアトリアル位、青は擬アキシアル位、緑はフラッグポール位、赤紫はバウスプリット位。 舟形(ふながた)または ボート形 boat form は、環のように同士の結合がすべての六員環の化合物がとるのひとつである。 舟形配座はを有する。 構造 [編集 ] 配座と同じようにのひずみが無い配座である。 いす形配座が6本すべての炭素-炭素結合についてねじれ型の配座となっているのに対し、舟形配座ではボートの舳先に当たる炭素を含む4本の炭素-炭素結合についてはねじれ型、ボートの胴体部分を構成する残りの2本の炭素-炭素結合については重なり型の配座となっている。 置換基 [編集 ] 舟形の立体配座においては、ボートの胴体部分を構成する4つの炭素に結合している置換基のうち、環のおおよその平面に垂直の方向に出ている置換基を 擬アキシアル位 ぎ-い、pseudo-axial にあるといい、平面内の方向へ出ている置換基を 擬エクアトリアル位 pseudo-equatrial にあるという。 また、ボートの舳先にあたる炭素に結合している置換基のうち環の内側に出ている置換基を フラッグポール位(旗ざお位、flagpole)にあるといい、環の外側に出ている置換基を バウスプリット位(船首斜檣、bowsprit)にあるという。 安定性 [編集 ] フラッグポール位の置換基同士が接近することによる立体反発があり、また重なり型の配座はねじれ型の配座よりもエネルギーが高いため、舟形配座はいす形配座に比較してエネルギーが高い相対的に不安定な配座である。 この値はシクロヘキサン中において、ある瞬間に舟形配座をとっている分子数はいす形配座をとっている分子数の14万分の1に過ぎないことを示している。 配座エネルギーの解析によれば、舟形配座はポテンシャルエネルギー面の極小点ではなく鞍点にあたる。 すなわち配座同士の変換のに相当する。 実際に極小点となっているのはボートの舳先をそれぞれ環の円周方向に逆向きにひねった形の ねじれ舟形 skewed-boat form と呼ばれる配座である。 ねじれ舟形配座はを有する。 普通、シクロヘキサン環においてはねじれ舟形配座よりもいす形配座の方が安定な配座であるが、 cis-1,4-ジ- tert-ブチルシクロヘキサンのようにかさ高い置換基がある場合、これらの置換基がバウスプリット位にあるねじれ舟形配座の方が安定になる場合がある。 脚注 [編集 ]• Nelson, Donna J. ; Brammer, Christopher N. 2011. 88 3 : 292—294. Bragg, W. ; Bragg, W. 1913. 91 2283 : 557. Bragg, W. ; Bragg, W. 1913. Proc. Soc. A 89 610 : 277—291. Sachse, , 1890, 23, 1363; Z. Phys. Chem. , 1892, 10, 203; Z. Phys. Chem. , 1893, 11, 185—219. Mohr, J. Prakt. Chem. , 1918, 98, 315 and , 1922, 55, 230. This history is nicely summarized here:. 参考文献 [編集 ]• ソロモンの新有機化学[上] [第9版]日本語版 ISBN 978-4-567-23503-7 関連項目 [編集 ]•

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